経済ニュースまとめ録

日本経済新聞の一面をマトリクス形式でまとめて整理

役割の逆転発想。寺田倉庫のイベント業務へ転換の戦略思考マトリクス

寺田倉庫

この名前を見てピンときた方は、アートに明るい方なのかもしれません。

寺田倉庫 Warehouse TERRADA

アート系にさっぱり詳しくなく、そして、倉庫業務に関わることも少なかった僕には、寺田倉庫という社名から、そのまま倉庫業務の会社だと思っていました。

ところが、実際は少し毛色が違うようです。

 

環境の変化に合わせて会社を改善・改良していった結果、アート系の作品の発表の場としての寺田倉庫という立ち位置を確立されているそうです。

まったく関係のないジャンルへの躍進と思いきや、その裏には、合理的な戦略があったそうで、面白いな・・・と思い今朝の日経MJを拝読させて頂きました。

そんな寺田倉庫さんの戦略的な思考、何かに応用できるんじゃないかな?と思ってまとめてみました。

 

寺田倉庫の戦略的変身マトリクス

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寺田倉庫という社名の通り、倉庫業務として立ち上げられた会社です。
でも、今はアート作品を展示する業務として業績を伸ばされている。

その変化をギュッとマトリクス形式でまとめると、下記のようになります。

  保管する 展示する
競合少ない
競合多い

先ず、競合が多いであろう部門をどんどん外部に売却して、会社の業務を絞りに絞ったそうです。(D → C)

その後、預かっている美術品などを保管するのではなく、展示するという事をはじめ、今の寺田倉庫となったそうです。(A)

ライバルが多い、採算が取りにくい部門を切り離すという発想は多くの方が出来る発想だと思います。

特に倉庫業務という、付加価値や個性で差別化が難しい業界は、自ずと立地条件等の工夫の余地のない部分で価格が決まってくると思いますので、価格競争に巻き込まれやすく、採算が取りにくいとも思います。

ただ、倉庫として預かるという発想から、預かったものを展示するという発想への転換。

これは、役割の正反対を行くという、純粋な発想の転換があったように思われます。

役割の逆発想

倉庫の機能、役割は何かとなると、モノを預かって保管するということです。

モノを預かって保管する。
これと、モノを展示する。

モノの”状態”に大きな差はありません。
「その場所に置いておく」という点では双方ともに同じです。

「その場所に置いておく」という状態を、保管と呼ぶのか、展示と呼ぶのか。
乱暴かもしれませんが、どう呼ぶのかの違いでしかないと言い切れます。

倉庫の役割とは何かとなると「モノを保管する」という事になるかもしれませんが、それは倉庫を持っている人の”思い込み”と言えるかもしれません。

大きな括りで言えば、倉庫での役割と、美術館などの展示する場所での役割は同じだと言えます。

僕はそこに着目した社長の発想力が凄いな・・・と感じました。

思い込みを超える非常識力マトリクス

  機能 役割
こうある”べき”の正反対 そのモノの機能の正反対 そのモノの役割の正反対
こうある”べき” そのモノの正しい機能 そのモノの正しい役割

僕たちは知らず知らずのうちに「思い込み」まみれになっています。

こうある”べき”という思い込みで物事を見ていますので、倉庫と言えば、モノを保管する”べき”と思い込んでいます。

もちろん倉庫はモノを保管する場所である事に違いはありませんが、そうある”べき”という発想を持っているのなら、それは思い込みに他なりません。

その思い込みを超えるためには、正反対の発想をしてみる、似た構造を持っているものを探すなどの、自分の思考にチャレンジするという事が大切になってくると僕は思っています。

寺田倉庫さんの場合、「倉庫はモノを補完する場所である」という機能の常識にチャレンジした結果だと思います。

そのような機能面の正反対を見てみるという発想を持ってみると、新しいビジネスのヒントが見つかるかもしれません。

 

社名すらも思い込みの逆発想

常識を作ったのは人間だから、人間が常識を壊しても良いし、新しい常識を作りなおしても良いのかもしれません。

社会生活の秩序の中にその発想を持ち込みすぎると危ないかもしれませんが、商品やサービスに対しては、常識を疑うという姿勢は大切かもしれません。

寺田倉庫の社長は、倉庫という社名と業務内容が離れてますよね?という問いに対して、ギャップがあるから覚えてもらいやすいと答えています。

これも、倉庫という言葉に対する思い込みを利用した発想ですし、社名は業務内容を端的に表していなければいけないという思い込みを利用しています。

こうして記事として非常識をオススメするのはとても簡単ではありますが、実際に非常識であろうとするのは難しいのかもしれません。

だからこそ、先ずは頭の体操として、役割の逆発想を意識してみる。

そんな事から始めてみてもいいのかな・・・と思った今朝の日経MJでした。

 

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