経済ニュースまとめ録

日本経済新聞の一面をマトリクス形式でまとめて整理

【日経一面】データ取引の国際ルール設定における今後の課題とポイント

データの取り扱い

これからのビジネスにおいて非常に重要になります。
お金よりもデータのほうが価値があると表現する方もいるぐらいです。

そのデータの取引についてWTOがルールを取り決める方向にあるというニュースが今朝の一面にありました。

www.nikkei.com

データの取り扱いに国が介入する事はよくないよね。
だからちゃんとしたルールを決めて、民間同士のデータのやり取りをしやすいようにしましょう!というものです。

当然のことながら賛否がありますが、データを取り扱う上ではやはりルールは必要で、そのルールは、可能な限り第三者的な人が行うほうがいいと思います。

WTOによるデータ取引ルール作成マトリクス

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WTO(世界貿易機関)がデータを使うビジネスにおけるルールを設定するということ。

これをマトリクス形式にまとめるとこのようになります。

  国単位でルール決め WTOで国際ルール
公平な取引ができる
公平な取引ができない

今までは、国が独自にルールを設定したり、場合によっては検閲していたりもしました。(D)

それでは他国とのやり取りにおいて、不均衡が生じやすい。
(某国のように、データを全てみせなさいという国と取引すると、知的機密から何もかもが全てを見られる)

そこで、取引が成立するレベルで全ての国が同意しやすいルールのもとで取引をしましょうねってのが今回の動きです。(A)

ただ、アメリカは(というかトランプさんが)、WTOってそんなに大切か?というスタンスでいるので、データ大国でもあるアメリカは、そこに応じるのかどうかが不透明である。(B)

もしかしたら、国単位でのルール設定であっても、平等に取引ができるという主張を今後してくるかもしれません。(C)

これが現状のようです。

データ取引市場の今後を見る上での課題

データ取引市場は、今後さらに重要度を増していく事は明らかです。

ただ、そのデータ取引市場において、次のような点がどうしても課題として残っているので、その部分をどう解決していくのかに注目していく事が大切なようです。

アメリカと中国の対応

経済大国の中国とアメリカ。
データの取り扱いに関しても、独自のルールで推し進めたいという想いがあるように感じます。

中国は、グーグルに検索関連のデータを全て開示しなさいと要求した事もあり、グーグルはそれを拒み、中国の検索市場から撤退しました。

(逆にいえば中国で使われている検索エンジンのデータは、国が全て把握しているという事でもありますね)

そんな中国とどう折り合いをつけるのか。

また、アメリカもWTOに対して一歩引いた位置に居る印象ですので、今後、どう対応するのかが未知数です。

この二国の動き次第では、WTOが国際ルールを取り決めても、ほぼ無効化状態になる可能性もあり得ます。

どの程度のデータを開示するのか

データをどの程度開示するのかという部分も、今後のルール設定の課題の1つです。

 日本はプログラムの設計図であるソースコードや実行手順のアルゴリズムについて、国家による企業秘密の開示請求を禁じることを提案。米欧も同調している。他国にも賛同を求め、多国間でのルールの導入をめざす。

プログラムのソースコードは機密扱いにしてくれ!という日本からの提案に他国も同調していると記事にはありますが、このような、どこまで開示するのかが課題になっています。

国際規格の標準化

その国だけでの規格というものを持ち込ませない、使わないという事もデータ取引の最低限のルールになりそうです。

 自国に進出してきた企業に対し、特定の規格や暗号などを強制的に使わせることを禁じるルールの導入もめざす。

自国の規格に併せることによって起きるデータ流出や盗用の恐れがあるので、自国規格の押し付けはしない。

つまり、国際規格に準じたデータのやり取りにするというルール設定になりそうです。

データ取引の主と範囲の統一

データの国際取引におけるテーマは、管理の主体と、データの自由度の幅が国によってまちまちであるという事に在ります。

中国は、データ管理の主は国です。
欧米は個人で、アメリカは企業で、日本はそのあたりが曖昧です。

データ管理の主が誰かわからないため、データ取引をする際に混乱が生じやすいのが現状です。

中国と取引するとなると、データの管理の主は国ですから、国にデータを提出する事になりますし、中国の管理するデータの取引をするとなると、中国という国を相手にすることになる。

そんなややこしさがあります。

また、データの自由度の幅も違います。

例えば、個人情報は、アメリカは原則に自由に利用していいという国であり、日欧は本人の同意が必要で、中国は国が制限をかけています。

この価値観の違いによるトラブルは、データ取引以前からずっとあります。

フェイスブックがアメリカで誕生したのは、まさに、個人情報の取り扱いに対する価値観の違いによるものだとも思います。

それらを一つのルールの中でちゃんとやっていきましょうねというのが、今回のWTOのよるデータ取引のルール設定です。

なかなかに骨が折れそうなルール設定です。
しかし、これを早めに決めておかないと、データ取引によるトラブルが頻発しかねませんし、産業の発展にも生かせません。

前途多難な感じのあるデータ取引です。

つまりは、中国と米国という二大経済大国、そしてデータに対する価値観が正反対の2つの国がどう応じるのかで、ほぼ方向性は決まるように思います。

 

データ取引契約の基本と書式

データ取引契約の基本と書式